職業柄、またはそうでなくても顎関節に痛みが走る、音がする、口が開けづらいなどという症状をお持ちの方は年々増加の一途をたどっているように感じます。原因としてはストレス説など諸説様々ですが、結果としての状態を素早く診断することで顎関節症の悩みから開放または軽減させることが出来ると私たちは考えています。
 いろいろな施設、学会で顎関節症に対する分類がされているようですが、我々は当方の学び舎である、東京医科歯科大学にて確立された分類・治療チャートを基に治療を行っています。
顎関節症とは、顎関節や咬む筋肉の痛み、雑音、開口障害や顎の運動の異常を主な症状とする病気のこと(日本学関節学会での定義からまとめました)です。外傷による打撲や骨折(または明らかに心因的なもの)との診断を区別することが必要です。
○大きな口を開けたり、硬いものをかんだりしたときに顎関節を支える靭帯に強いひねりや
  進展力が加えられ、いわゆる捻挫の状態が起きたもの
○長年の咬合異常により顎関節の運動を担当する筋肉等にアンバランスが生じたもの
○口を開け閉めする際に顎がカクカクまたはシャリシャリと音のするもの
○口が、がんばっても2cm程度しか開かず、強い痛みを伴うもの
○顎関節自体に変形があり、顎の運動に支障をきたしているもの
我々がすすめる治療計画は、まず疼痛を和らげることからスタートします。これには適切な消炎鎮痛剤を選択し、使用します。次に、開口量をアップさせることです。そのためには前述した薬物療法とともに、症状にあったバリエーション豊富なマウスピース(スプリント)を使った治療を行います。これにより、日常生活での不自由さはほぼ消失すると考えます。
マウスピース(スプリント)療法
それでも、症状が改善されない方もいらっしゃいます。これが、我々一次医療機関の限界と考えます。理由として、関節の状態を更に把握する設備が整っていないこと(CT,MRIなど)、手術が必要な場合にはやはり設備が整っていないことなど。そのような場合には、東京医科歯科大学口腔外科と連携して緊密な対応をさせていただいております。このことにより、一定の効果をあげております。
顎関節はその独自性(日常生活を営むために必ず使わねばならない関節である)から、他の関節の症状と比較して治療期間が長くなることが必然です。気長に我々の治療に付き合っていただければ幸いと思います。
最後に顎関節症は、かみ合わせの狂い、翻っては背骨のゆがみが原因で生じると主張する諸先生方も存在しますが、我々の基本理念は、患者様になるべく『傷』を残さないで症状を抑えられないか、ということにあります。ですから、まずは、薬物、スプリント療法といった効果がなければ以前の状態に戻れるという、後戻りの出来る治療を選択します。咬みあわせを治す必要がある方も確かにいらっしゃいますが、それは後戻りは出来ないため、最終的な手段として考えております。我々の理念に納得され、当院を受診される方が増えることを望みます。
ちなみに、一連の治療はほぼすべて保健治療内でまかなえます。
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